(鍼灸)熊本市健軍校前「坂本はり灸治療院」 の日記
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針の得気(響き)と痛みの違いについて
2011.02.16
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針をあまり経験がない人は、針によって感じる刺激をすべて「痛い!」の一言で片付けますが、違いがあります。
針による刺激は、「得気」(響き)と「切皮痛」に大まかに分けられます。
「得気」はツボ(患部)に刺激を送るとき感じます。
「ズーン」としたり針した所が重だるくなったりします。
簡単に言うと指圧を受けていて、ツボに圧が入った時に感じるものが針先に集まった感じです。
あと神経に触ったようなピリピリとした刺激も「得気」と言うことがあります(ボクは響きと表現します)
「響き」は運動神経によるものが多く、主に運動器疾患時に感じます。
椎間板ヘルニアによる腰痛、坐骨神経痛や頚椎症、各神経疾患の治療には不可欠です。
ボクは中医的な治療をするので、この刺激は不可欠で感じるかどうか患者に聞きながら治療しています。
多少の強弱の変化は可能ですが、この刺激は運動器疾患の治療は必要というか患部なら大抵感じるものなので、この刺激が全くダメな場合は針を刺すような治療は向いていません。
つまり、苦手な人は「はり治療」ではなくマッサージや整形外科での治療になります。
「切皮痛」は針を刺した瞬間の痛みで「チクッ」とした刺激です。無くてよい痛みです。
この痛みは注射の痛みとは比べ物にはなりませんが、この刺激も全くダメな人がいます。
名人なら確立は少なくなりますが、どうしても出ることがあります。
「はり治療」を何回も経験している人は分かると思いますが、初体験の時が1番感じて痛いのですが、数を重ねるごとに感じなくなります。
始めての時は精神的緊張で筋肉が緊張して痛みを感じ易くなるからです。
2回目からは心と体が慣れて、筋肉が弛緩しているので「切皮痛」はほとんど感じません。
以上が針による痛みですが、本気で症状を改善しようと考えている人はある程度の刺激に耐えて、数回「はり治療」を続けることが大切なのです。
その「はり治療」が合っているか判断するには、最低3回の治療が必要です。
病院の治療は効果がないのにかかわらず数ヶ月通院するのに、「はり治療」は1回のチャンスしかないのは個人的におかしいと思います。
満足に検査もできる環境ではないのに、切り捨てるのは早すぎます。
東京の某超有名な先生も同じ考えで、体に多少なりとも変化があったら続けるべきであり、もし逆に悪くなったら治療のチャンスで、その先生は治せる技術を持っている可能性が高いです(逆の治療をすればいいので…東洋医学の考え)